一定期間更新がないため広告を表示しています

一般的には六つ子として知られているおそ松くん兄弟ですが、実はもう一人いて、兄弟は全部で7人。ほんとは7つ子なのだそうです。

その7人目は遅松という子です。名前のとおり何をやっても遅い子なので、ほかの兄弟より遅れて登場するのですが、「おそ松くん」の最終回までには間に合わず、原作漫画の連載やアニメ番組の放送が終了してだいぶたってから、2006年くらいにはじめて登場しました。

朝起きるのが遅い、とか、ご飯を食べるのが遅い、とか、とにかくあらゆることが「遅い」ことがきっかけになって、遅松くんの身の回りには事件が絶えず、登場してから後、遅松くんは常に新しいドラマを生み出し続けました。 それはある種の求心力を醸成し、やがて遅松くんは七つ子の中でも際だった存在感を示すようになっていきます。

2009年現在、七人の中で最もキャラ立ちしてるのは間違いなく遅松くんだと言えるでしょう。 しかし、にも関わらず、私を含めほとんどの人は遅松くんのことを知らないはずです。
私たちは、遅松くんの八面六臂の大活躍を目の当たりにしているはずなのに、遅松くんのことを知りません。なぜでしょうか。

それは、私たちの網膜に投影された遅松くんの視覚情報が、わたしたちの脳内の視覚中枢へ伝達される速度が、遅いからです。

通常であれば、目で見た像が何であるかを脳が特定するまでの認知の処理には1秒もかからないはずですが、遅松くんの場合に限っては、脳がなかなか認識してくれません。

私たちは、2007年前後から、遅松くんの姿をこの目で見ているはずなのですが、その視覚情報は、2009年現在、おそらく視細胞によって電気信号に変換されている最中で、この信号が視神経を通って脳内の視覚中枢へ達するのは、2013年の夏頃になるだろうと予測されています。

初登場が最終回に間に合わなかった、センター試験を7月に受けに来た、とっくの昔に枯れて朽ちた花に水をやり続けた、など彼の「遅さ」を垣間見るようなエピソードは数多あれど、自身のビジュアル情報を他者の脳内に数年越しに送り込むというのは、その極みとも言えるエピソードでしょう。

2013年夏、私たちはいっせいに、遅松くんのことを認識しはじめます。もちろんその時には、既に遅松くんは私たちの目の前を去ったあとですから、私たちはこれを夢だとか啓示のようなものと捉えることしかできないはずです。

それは、人類が同時に見た共通の夢としてのちのちまで語り継がれ、やがていつしか漫画化されることでしょう。
関連する記事
トラックバック
この記事のトラックバックURL